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甘ったれなブルー
第1章 目覚めのブルー
お葬式が終わり、急に大勢やってきた親戚の大人たちは潮が引くようにいなくなった。

笑い声が絶えひっそり静まり返った我が家。何も言わなくなってしまった母と暮らし、どこか痺れたように麻痺した脳みそを抱えて毎日学校に行き、見かけだけは普通に過ごしてしばらく経ったある日、いきなりもう父はいないんだという実感が空から落ちてきて、わたしをもの凄い衝撃で叩きのめした。

引きちぎられるような喪失感に襲われ、喋れなくなり、何も喉を通らず、わたしの世界は色を失って灰色になった。悲しくて悲しすぎて胸が耐えきれないほど痛くて文字通りのたうち回った。そして胸にぽっかり空いた大きな穴から後から後から慟哭の真っ赤な血が流れ出し、わたしの世界を悲しみの色で染めたのだ。

幸せだったわたしたち家族は父の突然の死で終わった。笑顔が優しかった母は二度と笑わなくなった。ショックで精神を病んだわたしだったが、しばらくの間入院して療養に専念したおかげで、何とか普通に暮らせるような状態になるまで回復した。

それ以降の生活費は父の生命保険で賄い、勉強の成績だけはそれなりに優秀だったわたしは高校と大学の進学費用を奨学金から捻出した。そして大学生の時に司書の資格を取り、卒業してからは地元の図書館に勤めている。

だからわたしは、どうしても幸せの先を、終わりを考えてしまうのだ。どれほど今が幸せでも、必ず哀しい終わりが来てしまうと。
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