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私怨の宴 背徳の凌辱
第4章 美貌の妻までもが、悪魔の魔手に…
『その情報を渡す時が、美空ちゃん救出の最初で最後のチャンスかもしれねぇ。とにかく正攻法じゃあ、あいつらから娘は取り戻せねぇよ。もっとも、そのチャンスを奴らがこっちに与えるかは、わからねえけどな』
最後に不吉な言葉を残したが、交渉が修羅場を迎えた際には、恭平が預けたロシア製の銃を悪魔たちに向け、捨て身になる覚悟を感じられた。
「さぁ、そろそろだ、ぜ」
石岡が厳かな口調で切り出した。
「どういうことだ!?」
根岸恭平は繁華街のど真ん中に立ち尽くすしかなかった。僅かに場所を移動し、裏路地に注視していたその瞬間に、突如急発進したトヨタのワゴン車は、まだ人通りが多い繁華街を猛スピードで消えていった。その場を立ち去ることもままならず、周辺を駆け回る彼のスマホが振動したのは30分後のことだ。
『す、すまねぇ…根岸。ラッシュされた…。不覚だ、奴らに…捕まっちまった…。志桜里さんも一緒に…だ』
石岡の呻くような弱々しい声を、今田恭平は聞いたことがなかった。友が、敵の手中に堕ちた。しかも、最愛の妻もろとも、亜細亜でももっとも怖れられるマフィアに、だ。絶望と敗北感に打ちひしがれる間もなく、衝撃的な動画が送信されてきた―――。
最後に不吉な言葉を残したが、交渉が修羅場を迎えた際には、恭平が預けたロシア製の銃を悪魔たちに向け、捨て身になる覚悟を感じられた。
「さぁ、そろそろだ、ぜ」
石岡が厳かな口調で切り出した。
「どういうことだ!?」
根岸恭平は繁華街のど真ん中に立ち尽くすしかなかった。僅かに場所を移動し、裏路地に注視していたその瞬間に、突如急発進したトヨタのワゴン車は、まだ人通りが多い繁華街を猛スピードで消えていった。その場を立ち去ることもままならず、周辺を駆け回る彼のスマホが振動したのは30分後のことだ。
『す、すまねぇ…根岸。ラッシュされた…。不覚だ、奴らに…捕まっちまった…。志桜里さんも一緒に…だ』
石岡の呻くような弱々しい声を、今田恭平は聞いたことがなかった。友が、敵の手中に堕ちた。しかも、最愛の妻もろとも、亜細亜でももっとも怖れられるマフィアに、だ。絶望と敗北感に打ちひしがれる間もなく、衝撃的な動画が送信されてきた―――。