この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
私怨の宴 背徳の凌辱
第1章 戦慄の序章、娘の拉致
「でもね、ほら見て」
志桜里は席を立つとほどなく夫のもとに戻り、寄り添うようにして小さなリボンのかかった包みを差し出した。『HAPPY BIRTHDAY』という金色のシールが恭平の目に飛び込む。昨夜は恭平44歳の誕生日だった。不器用ながらも女の子らしい気配りに胸の熱くなる恭平だ。
「あの娘は、あの娘なりに、あなたを尊敬しているし、愛しているのよ。そういえばね、美空ちゃん、将来は国連とかユニセフとかに入って、大勢の人の役に立ちたいって言っていたわ。成績も最近、ぐんぐん上がっているしね。あなたが東京の治安を守っているのを見て、影響を受けているのよ。父親の背中っていうのかしら? 美空ちゃんはそれをしっかり見ているのよ、私にはわかる」
志桜里の表情からは娘の成長を喜び、また、その将来に大きな期待を寄せていることが見て取れる。恭平は、美空の不器用な愛情表現を心から愛しく思うと同時に、志桜里なくして、この暖かな家庭は存在しえないだろうと認識をあたらにし、幸福を噛み締めた。この後起こる『事件』で、その大切な家族が生き地獄へといざなわれることとも知らずに―――。
国産黒のワゴン車の後部座席。根岸美空は15年の人生で、ここまで泣き喚いたことはないというほど、精一杯の叫び声をあげ助けを求めた。しかし、防音処理を施された目隠し付きの走る牢獄に虜となった少女の声は、虚しく車内に吸収されるだけだった。暴力の使い手である男二人は、情け容赦なく美空の頬を打ち据える。
「いやあぁぁッ、降ろしてッ、放してぇ――――ッ!!」
美空は決して隙の多い少女ではない。が、今は、長年親しんだ顔なじみのある男の誘いに乗ったことを後悔するばかりだったが、時既に遅く彼女は拉致・誘拐の犠牲者となった。
「往生際が悪いんだよ、お嬢ちゃん…」
凄んだ若い男は、美空の涙に濡れる美少女フェイスに手をかけ、顎を上げさせた。
「運悪く、俺らに拉致られた以上覚悟するんだな…。でもこれくらいで泣き叫ばれちゃあ、先が思いやられるぜ。死んだほうが遥かにマシって思うくらいの目に遭わさるんだぜ、お前さんはよ…」
物静かな口調が、美空のセーラー服の下で、可憐な花の蕾が膨らみかけたような乳房を、身も心も凍るような恐怖が大きく鼓動させる。
志桜里は席を立つとほどなく夫のもとに戻り、寄り添うようにして小さなリボンのかかった包みを差し出した。『HAPPY BIRTHDAY』という金色のシールが恭平の目に飛び込む。昨夜は恭平44歳の誕生日だった。不器用ながらも女の子らしい気配りに胸の熱くなる恭平だ。
「あの娘は、あの娘なりに、あなたを尊敬しているし、愛しているのよ。そういえばね、美空ちゃん、将来は国連とかユニセフとかに入って、大勢の人の役に立ちたいって言っていたわ。成績も最近、ぐんぐん上がっているしね。あなたが東京の治安を守っているのを見て、影響を受けているのよ。父親の背中っていうのかしら? 美空ちゃんはそれをしっかり見ているのよ、私にはわかる」
志桜里の表情からは娘の成長を喜び、また、その将来に大きな期待を寄せていることが見て取れる。恭平は、美空の不器用な愛情表現を心から愛しく思うと同時に、志桜里なくして、この暖かな家庭は存在しえないだろうと認識をあたらにし、幸福を噛み締めた。この後起こる『事件』で、その大切な家族が生き地獄へといざなわれることとも知らずに―――。
国産黒のワゴン車の後部座席。根岸美空は15年の人生で、ここまで泣き喚いたことはないというほど、精一杯の叫び声をあげ助けを求めた。しかし、防音処理を施された目隠し付きの走る牢獄に虜となった少女の声は、虚しく車内に吸収されるだけだった。暴力の使い手である男二人は、情け容赦なく美空の頬を打ち据える。
「いやあぁぁッ、降ろしてッ、放してぇ――――ッ!!」
美空は決して隙の多い少女ではない。が、今は、長年親しんだ顔なじみのある男の誘いに乗ったことを後悔するばかりだったが、時既に遅く彼女は拉致・誘拐の犠牲者となった。
「往生際が悪いんだよ、お嬢ちゃん…」
凄んだ若い男は、美空の涙に濡れる美少女フェイスに手をかけ、顎を上げさせた。
「運悪く、俺らに拉致られた以上覚悟するんだな…。でもこれくらいで泣き叫ばれちゃあ、先が思いやられるぜ。死んだほうが遥かにマシって思うくらいの目に遭わさるんだぜ、お前さんはよ…」
物静かな口調が、美空のセーラー服の下で、可憐な花の蕾が膨らみかけたような乳房を、身も心も凍るような恐怖が大きく鼓動させる。