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私怨の宴 背徳の凌辱
第9章 明かされた過去の『恥部』
さらに石岡も核心に迫る表情で、恭平を問いただす。
「俺も聞きてぇ…。立山は誰に殺られたんだ?」
「あぁ…あの時は…」
実はこの事こそ、恭平が一番話したくない人生の恥部だった。
「露助の一人が…」
「嘘をつけ!!」
石岡が一喝した。
「確かに館山の頭蓋骨からはロシア製の弾痕が見つかったし、現場の死人の銃でもなかった。だが、俺はな、ずっと疑っていたんだよ、お前を…。今度の誘拐劇でてめぇが、このロシア製の銃を持ち出したとき確信したよ」
「やはりそうか…」
李までもが、傍らで頷く。
「てめぇだったんだな、ネギシ…。日本人の薬の売人っていうのは」
「そ、そうだ…」
恭平は力なく頷いた。
10年前、恭平はミイラ取りがミイラになることを、身をもって体現していた。組対五課に身を置きつつも、入手した情報を『有効活用』し、政治家や警察幹部といった安泰な立場の者たちに売りさばいていたのだ。その中には、民自党のホープ東出直人も含まれており、両者はずぶずぶの関係だった。その東出に薬物疑惑や邪竜会との交流疑惑が持ち上がって以降、恭平は警察組織の立場を使い、東出やキム一派を掃討することを思いついた。10年前のあの日も売人の顔で全員を集め、そこに警察組織として踏み込み、惨劇を生んだわけだが、己の保身のためのいわば命がけの決断だった。
「館山を撃ったのも、てめえだな」
「そ、それは…」
恭平は、それでもなお真相を打ち明けることを躊躇った。だが、それが妻娘を極めつけの凌辱へと誘うこととなる…。
「俺も聞きてぇ…。立山は誰に殺られたんだ?」
「あぁ…あの時は…」
実はこの事こそ、恭平が一番話したくない人生の恥部だった。
「露助の一人が…」
「嘘をつけ!!」
石岡が一喝した。
「確かに館山の頭蓋骨からはロシア製の弾痕が見つかったし、現場の死人の銃でもなかった。だが、俺はな、ずっと疑っていたんだよ、お前を…。今度の誘拐劇でてめぇが、このロシア製の銃を持ち出したとき確信したよ」
「やはりそうか…」
李までもが、傍らで頷く。
「てめぇだったんだな、ネギシ…。日本人の薬の売人っていうのは」
「そ、そうだ…」
恭平は力なく頷いた。
10年前、恭平はミイラ取りがミイラになることを、身をもって体現していた。組対五課に身を置きつつも、入手した情報を『有効活用』し、政治家や警察幹部といった安泰な立場の者たちに売りさばいていたのだ。その中には、民自党のホープ東出直人も含まれており、両者はずぶずぶの関係だった。その東出に薬物疑惑や邪竜会との交流疑惑が持ち上がって以降、恭平は警察組織の立場を使い、東出やキム一派を掃討することを思いついた。10年前のあの日も売人の顔で全員を集め、そこに警察組織として踏み込み、惨劇を生んだわけだが、己の保身のためのいわば命がけの決断だった。
「館山を撃ったのも、てめえだな」
「そ、それは…」
恭平は、それでもなお真相を打ち明けることを躊躇った。だが、それが妻娘を極めつけの凌辱へと誘うこととなる…。