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私怨の宴 背徳の凌辱
第10章 貶められる妻娘の尊厳
「うぅ…あいつは…立山は…俺を売ろうとしやがったんだ」
恭平は苦肉の表情で絞り出す。
「あいつは、俺が売人であることを知っていた。わざと泳がせて、あの現場で俺もろともキムや東出と一緒にわっぱを掛けようとしやがった。自分の点数を上げるために罠を仕掛けやがったんだ…」
「てめぇ、なにを逆恨みしてやがる!」
李が恭平の頭を小突く。
「…てぇことは…東出を殺ったのも…お前だな、根岸?」
「ああ…」
恭平は観念したように頷いた。
視界の端に、父の『犯行供述』を呆然と聞き入る娘と、驚愕の表情で自分を見遣る妻の美貌が捕らえられたが、すべてが終焉に向かう虚脱感が彼を苛んだ。
その時だ、助けなど現れる筈のないこの地下室に、警察組織の者たちが怒涛の様になだれ込んできたのは。
「ま、まさか…イシオカてめぇ!? サツと繋がってやがったのかよ!?」
李が初めてたじろいだ。配下たちは反撃した。無論警察組織も黙ってはいなかった。あの十年前を彷彿させる激しい銃撃戦。
「石岡、お前…」
「へへへ…俺はな、根岸。鬼畜ではあっても『殺し』はしねぇ、お前みたいには、な。人妻を寝取る趣味はあっても、自分の目的のために死なせはしねぇんだよ。俺の目的は、10年前の真相を聞き出すことだ」
石岡は志桜里の四肢の拘束を解き、美空を抱き起しながら恭平を睨む。石岡は警察に極秘裏に密通していた。志桜里と美空を救うために。が、最後の目的は忘れていなかったようだ。根岸母娘を素早く出口付近に逃がすと、銃を手に恭平を銃撃戦の終止符が打たれかけている『戦場』を尻目にさらに隣の部屋へと連行していく。
恭平は苦肉の表情で絞り出す。
「あいつは、俺が売人であることを知っていた。わざと泳がせて、あの現場で俺もろともキムや東出と一緒にわっぱを掛けようとしやがった。自分の点数を上げるために罠を仕掛けやがったんだ…」
「てめぇ、なにを逆恨みしてやがる!」
李が恭平の頭を小突く。
「…てぇことは…東出を殺ったのも…お前だな、根岸?」
「ああ…」
恭平は観念したように頷いた。
視界の端に、父の『犯行供述』を呆然と聞き入る娘と、驚愕の表情で自分を見遣る妻の美貌が捕らえられたが、すべてが終焉に向かう虚脱感が彼を苛んだ。
その時だ、助けなど現れる筈のないこの地下室に、警察組織の者たちが怒涛の様になだれ込んできたのは。
「ま、まさか…イシオカてめぇ!? サツと繋がってやがったのかよ!?」
李が初めてたじろいだ。配下たちは反撃した。無論警察組織も黙ってはいなかった。あの十年前を彷彿させる激しい銃撃戦。
「石岡、お前…」
「へへへ…俺はな、根岸。鬼畜ではあっても『殺し』はしねぇ、お前みたいには、な。人妻を寝取る趣味はあっても、自分の目的のために死なせはしねぇんだよ。俺の目的は、10年前の真相を聞き出すことだ」
石岡は志桜里の四肢の拘束を解き、美空を抱き起しながら恭平を睨む。石岡は警察に極秘裏に密通していた。志桜里と美空を救うために。が、最後の目的は忘れていなかったようだ。根岸母娘を素早く出口付近に逃がすと、銃を手に恭平を銃撃戦の終止符が打たれかけている『戦場』を尻目にさらに隣の部屋へと連行していく。