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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第2章 二人のラスト・ドライブ

「でも本当のことでしょう」
「世間的にはきみも僕も紛れもなく中年だと思うよ」
「世間的にはね。でも、外見じゃなくあなたの本質は20代の時から変わった?」
「本質なんてこれはまた・・今度はいきなり哲学者か」
ウインカーを出して車をスタートさせる彼。その横顔の向こうに、遠く見渡す限り広がっている深い碧の海原。
「あなたは今、世間的にはと言った。自分では中年だなんて思っていない。そうでしょう?」
「当たってる。鋭いね。なあきみ。大学を卒業したばかりのきみとこの道をドライブした時の車を覚えているかな」
「車?」
「そう。僕が地元の小さな設計事務所に就職して初めて買った・・」
「オンボロの中古車」
「当たり。でもオンボロは酷い言い方だ」
「ごめんなさい。でも・・」
「本当のことだから」彼の楽しそうな声とわたしの弾んだ声が重なった。
「世間的にはきみも僕も紛れもなく中年だと思うよ」
「世間的にはね。でも、外見じゃなくあなたの本質は20代の時から変わった?」
「本質なんてこれはまた・・今度はいきなり哲学者か」
ウインカーを出して車をスタートさせる彼。その横顔の向こうに、遠く見渡す限り広がっている深い碧の海原。
「あなたは今、世間的にはと言った。自分では中年だなんて思っていない。そうでしょう?」
「当たってる。鋭いね。なあきみ。大学を卒業したばかりのきみとこの道をドライブした時の車を覚えているかな」
「車?」
「そう。僕が地元の小さな設計事務所に就職して初めて買った・・」
「オンボロの中古車」
「当たり。でもオンボロは酷い言い方だ」
「ごめんなさい。でも・・」
「本当のことだから」彼の楽しそうな声とわたしの弾んだ声が重なった。

