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愛の終わりは最高のデートで幕を下ろそう
第2章 二人のラスト・ドライブ
「それで?」
「ん?」
「車の話の続き」
「あの時は目一杯背伸びしても金が無くてオンボロ中古車しか買えなかった。でも今は普通の感覚でこんな車が買えるようになった」そう言いつつ軽くステアリングを叩いて見せる。

「オンボロだったけどすごく楽しかったわ」
「それはどうも」
「それでさっきのわたしの質問への答えは?」
「何だっけ」
「もう!」
「嘘だよ。あの頃より経済的に遥かに豊かになって、色々経験も積んで判断力も増したと思うけど、そんなものは車のアクセサリーや高級インテリアみたいなもので、中身のエンジン・・僕自身の資質や考え方は変わっていないと思う」

そうねと頷き、シートにもたれて真っ青な空を見上げる。

あの時の空もこんなに青かったかな。もっと青く澄んでいたかもね。
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