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愛は奪うもの。故に我は貴女を奪う。
第1章 寂しい体

くそ・・馬鹿な自分に腹が立つ。
血が滲むほど唇を噛み締めた槙野は、美緒が駅に向かったと予想してそちらに向かって走り出す。
怒らせるつもりじゃなかった。偶然見かけた美緒の寂しそうな表情に胸が切なくなり思わず後を付けた。駅で島田を見送ったあと、ただひとりカフェで佇むその哀愁が満ちた背中に、込み上げる気持ちが抑えきれず気付いたら声を掛けていたのだ。
槙野は初めて会った時から美緒が気になっていた。学生時代から女遊びを重ねてきたが、美緒には今まで槙野が遊んできた女たちには無いものがあった。それは憂いとか哀愁といったもの。
血が滲むほど唇を噛み締めた槙野は、美緒が駅に向かったと予想してそちらに向かって走り出す。
怒らせるつもりじゃなかった。偶然見かけた美緒の寂しそうな表情に胸が切なくなり思わず後を付けた。駅で島田を見送ったあと、ただひとりカフェで佇むその哀愁が満ちた背中に、込み上げる気持ちが抑えきれず気付いたら声を掛けていたのだ。
槙野は初めて会った時から美緒が気になっていた。学生時代から女遊びを重ねてきたが、美緒には今まで槙野が遊んできた女たちには無いものがあった。それは憂いとか哀愁といったもの。

