この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ほのぼのした時間を
第8章 夏フェス
「秦野さん、ちょっと挨拶回りしてきまーす」
「おう、行ってこい」
カタカタカタカタ…
「…義彦、練習も良いが春人達と挨拶に行ってこい」
義「暑いし、まだ動きたくない。行けたら行くよ」
「はぁ…お前もあの3人くらいのコミュニケーション力があれば…」
7時半、先に会場入りしている他のバンドやスタッフさんに挨拶しに行く。
出番が遅ければ、その分ゆっくり会場に着いても良いが、俺ら自身はそれを良しとしてない。
それは、インディーズの頃にお世話になった先輩バンドマンの教えがあるから。
「最初から最後までライブを見届けてるのが、出演させてもらったフェスへの礼儀やと思ってる。
トリを任されても、頭からバトンを引き継いでくれるのを見届けるのが大事なんや」
それに、多種多様なバンドが出るフェスは、自分達にとっても良い勉強の場所になる。
パフォーマンスの仕方とか、自分のファンじゃないお客さんをどうやって引き込むか、とか…
場合によっては、ステージの袖からライブの様子を見させてもらったりすることもある。
まぁ、勉強目的じゃなくて、単純に好きで袖で観ることの方が多いけどな…