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ほのぼのした時間を
第8章 夏フェス
「お、ハル!」
「浩平くん」
スタッフさんに挨拶してると、『crowds』のボーカルの浩平くんとバッタリ会った。
crowdsはインディーズ時代からお世話になってる先輩バンドの1つで、当時からよく対バンしていた。
今も仲良くさせてもらってて、先輩やけどタメで話せるくらい。
「お前ー、先輩を差し置いてメインやるとか生意気だなー。しかも同時刻に!」
ヘッドロックをかまされながら、頭を軽く叩かれた。
「言うて、浩平くんらも去年メインやってたやん」
「うるせー。俺らなんてメインでやるのに5年もかかったのに、お前らはデビューして2年目で立ちやがって…」
憎まれ口を叩いているが、嬉しそうな表情で。
昔から可愛がってたバンドが、メインステージでライブ出来るようになって、喜んでくれてるんかな…
「俺らがメインやれるようになったのは、浩平くん達や色んな先輩に可愛がってもらって、色々教えてもらったおかげですよ。ホンマにありがとう」
「ハル…」
「でも、今日はサブステのお客さんも取っていく勢いでライブさせてもらうな。俺らぶっちぎりで優勝させてもらうんで」
「……ハル、お前やっぱ生意気だー!」