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もしもシリーズ〜自作品のキャラ達のラブシーン満載。
第8章 聖なる夜に悦なる慈悲を
唇から吐き出される吐息が夜空に一瞬だけ靄(もや)を描く。
片手はルナの手を握ったまま、もう片方は毛糸のセーターの中にもぐりゆっくりとささやかな乳房を揉み上げていた。
目の前には七色に点滅を繰り返す、大空に堂々と聳えるツリー。
そう、スカイツリーだ。
何十年経とうと歳をとらぬ姿の為に一国に止(とど)まる事を避けていた伯爵夫妻は、日本という国に移り棲んでいた。
高層ビルの最上階。
高級マンションのワンフロアすべてがグレイ伯爵の物だ。
欧州から越してきて、直ぐに何処かへと出かけたグレイ。
夜になって突然帰ってきたと思ったらこれだ。
「…っ…何処にいってきたのっ」
追及しながら息が上がる。
躰をまさぐられながらもルナは自分をほったらかしにしたことを少し責めるように口にした。
「この国に魔女がいると耳にした」
「……魔、女…っ…」
きゅっと乳首を摘まれてルナは喉を仰け反らせる。
この国にも魔物がいるのか──
ルナはグレイの言葉を鵜呑みにしながら快感に眉を寄せた。
「モーリスの話によると……とても艶のある美しい魔女らしい──」
「……っ…」
美しい…っ…
“艶のある”そう答えたグレイの言葉に、ルナは甘い快感に細めていた瞳を見開く。
“艶”それは自分が生涯、手にできない物だ──
幼い見た目のまま歳を取ることは二度とない。ルナの気にすることをわざと口にされ、小さな胸がツキンと傷む。
「男を惑わす美魔女だと、モーリスはしつこく口にしていたな…」
グレイはルナの様子を眺めながら指の動きに変化をつけた。