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もしもシリーズ〜自作品のキャラ達のラブシーン満載。
第5章 微熱の一夜…(灼熱の砂丘)
真っ白なタキシードを着たアサドにエスコートされて愛美は赤い顔を微かに俯かせ、アサドの腕に手を回した。
何かを予感させるように夜の星の下で汽笛が高く鳴り響く──
「今夜は思いきり贅沢な夜をマナミにプレゼントしてあげるから楽しみにするといい──」
「──っ…」
アサドは何故か耳元でそう囁く。
あまりにも甘ったるい声音に愛美は吐息の掛かった首筋を庇いアサドを見上げた。
せっかく俺に拾われたのだからと今夜は砂漠から離れたこの場所──
海の絨毯に揺られる豪華客船の最上階を貸し切り、アサドは愛美を数日間のクルージングの旅に連れ出していた。
日本では経験できないようなことを。アサドはそう言っては愛美を色んな所へ誘い出してくれる。
無防備に喜ばせてお気ながらもドキリとしたことをたまに口にする──
愛美は毎回アサドの仕草にドキドキさせられていた。
紳士なのかどうなのか──
アサドがふと魅せる表情はこの上なく魅惑的だ──
茶褐色の肌に憂いのある濡れた黒い瞳。パッと見は威圧感があるのに笑うととても儚い優しさを感じさせる──
そんな笑みをアサドは愛美の前で披露しっぱなし。
アサドの邸の使用人達はそんな主人に驚く者が多かった。