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またいつか貴方と
第17章 ジメジメの梅雨
聡くんに来週末の土曜日は
ラッセンの絵画展行くから
絶対予定いれないで。
ひたすらお願いしていると家に着いてて
雨だからと聡くんは家の目の前で
下ろしてくれる。
「ご飯食べてら行くね。」
「待ってる。あ、英語のテキスト持ってきて」
「?うん、わかったー。」
何で英語のテキスト?と思いながらも
家に入りお母さんと綾乃がリビングで
大きな声で喧嘩していた。
『いい加減にしなさい!』
『うるさいな!ほっといてよ。』
お母さんが珍しく怒ってる。
穏和なお母さんが怒ることは滅多にない。
だから不安で仕方なかった。
「ただいま。お母さんどうしたの?」
『あ、沙綾おかえり』
お母さんと挨拶した瞬間
綾乃は部屋にあがってしまった。
『綾乃!待ちなさい。』
『うるさい!!!』
階段をどんどん登って部屋にこもってしまった。
はぁ。
お母さんのため息がやけに大きく聞こえた。
そうとう疲れてる。