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またいつか貴方と
第23章 生死の分かれ道
泣くつもりなんてない。
だってそんなの嘘にきまってるもん。
季節は10月の中旬になっていた。
今はエイプリルフールじゃないけど
みんなで何か企んでるだけだよ…
するとスマホはスピーカーにしてる訳じゃないのに
私と亜里沙に届くような大きな声を発する。
『お前が弟を殺したんだから私があんたを殺す!!
信号待ちで停まってるバイクに
60キロも出した大型トラックが突っ込んだら
こんなことになることくらい分かるだろ?
あ?てめぇ免許持ってんなら分かるだろうが。
わき見だ?知らねぇよ!!過失はてめぇにあんだろうが。』
『蛍子!聡はまだ生きてるの!!』
『ああぁあぁーーーーーー』
亜里沙が手を握ってくれて
『早く病院行っておいで。連絡待ってるから。』
と優しく送り出してくれた。
私は走って学校を出て行く。
すれ違った先生に『ん?』って顔をされても
そんなこと今はどうでもいい。