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またいつか貴方と
第25章 生きてるよ
バス停まで走るとバスは行ったばかりだった。
私はまた病院まで走ることにした。
お母さんに報告。
数秒の呼び出し音が勿体なくも思う。
『はい』
「お母さん!聡くんが目を覚ましたって。」
『え?ホントに??
お母さんも今から行くわ!!』
私はまたあの時とは違う気持ちで走る。
とりあえず早く会いたくて走る私は
荷物があり重いことも気にせず
その気持ち一心で走って病院に向かった。
病院に着き病室に荷物を置いて
急いでICUへ向かう。
ICUに居た看護師さんは私を見て
『急がなくても大丈夫よ。
隅田さん待ってるよ。』
クスクス笑いながら聡くんの方を見た。
私もその視線の先に目をやると
お母さんがハンカチで目元を押さえながら
聡くんの方を見て笑いながら何か話している。
私はそっと近寄った。
『心配かけてごめん』
聡くんの声が聞こえた...
生きてるよ。聡くん生きてる。
それだけで涙が止まらなかった。