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またいつか貴方と
第29章 聡くんの最期
『ほら、彼女も笑ってるわよ!』
聡くんと目が合い私は手を振った。
聡くんまだ恥ずかしそうにしていて
可愛いと思ってしまった。
『じゃ、誰でも文句言わずにお願いね!』
ベテラン看護師さんは部屋を出ていった。
尿管なんて付けられてたまるか!と
怒っている聡くん。
「私がいる時は私がするから言ってね」
「は?沙綾の方が無理だし。
反応したらどうすんだよ。」
ふふふ。
私は聡くんの耳元で「お口でしてあげる♡」と
言ってみたらバカか!と怒られてしまった。
その日は平和に過ぎていった。
聡くんはベッドで私は椅子に座り
年末年始の過ごし方で話していた。
「沙綾と過ごしたかった。」
「私も。」
「一時帰宅できたらよかったのに。」
...。
無理だよ。無理して助からなかったら。
とは言えなかった。
「お兄ちゃんは蘭さんの実家に行くってー
綾乃も彼氏のところ行くし
私はお父さんとお母さんと紅白見るの」