この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
またいつか貴方と
第5章 近づく魔物
「山下だっけ?」
「や、ま、も、と!!」
聡はまた名前を間違えた。
「山本悪いけど。
前にも断ったよな。あの時にも言ったけど
好きな人がいるって。
あれ、沙綾のことなんだよ。
いつだろな。中学生くらいからかな。
あいつの事が好きって分かったの。
だから彼女なんて作る気なかったし
告ってくれる奴いたけど断ってた。
それは自分の願望でいつかあいつが
俺のこと見てくれるんじゃねぇかっていう。
けど何年経っても変わんねーから。
だから今回沙綾を手に入れて絶対あいつだけは
失いたくないんだ。
悪いけど俺はあいつしかいらない。」
聡の意思は揺るがないものだった。
でも真奈美はそれ以上に強い精神の持ち主だった。
「そう。あなたが橋本さんが好きなのは分かった。
でもあの子がそうじゃなかったら?
あなたじゃなくてもよかったら?
そしたらあなたはあの子から離れる?」
聡は言ってる意味が分からない。と言い捨て
真奈美と話すのを終えた。
そしてこの時真奈美が恐ろしいことを
考えているとは思ってもいなかった。