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嘘やろ!?
第2章 イケメン君
「ミモザ、カルアミルク、ビショップですね。すぐにお持ち致します。」
私好みのイケメン君はスマートに軽くお辞儀をするとすぐにカウンターの方へと立ち去った。
「何…、このお店…。」
間抜けにポカンと口を開けたままの私に千里が笑って説明をしてくれる。
「凄いでしょ?もう1人のフロアバーテンダーがいるんだけど、この子がまた可愛いショタ系の男の子でさぁ、とにかくここはあらゆるイケメン揃いのお店だから今一番に女性人気のお店なのよ。」
まいったかとばかりに千里が鼻息を荒くする。
確かにこの店をぐるりと見渡す限りはカウンター席も他のテーブル席も女性客ばかり…。
「それでさ…、深夜になってその女性客がいい感じで酔って来ると男性客が増えるのよ。」
男に軽い千里が意味有り気にニヤニヤとし始める。
「それって…、やばくない?」
生真面目な結愛が少し顔を歪める。
「別にやばくはないよ?嫌ならナンパお断りって態度をはっきりとさせていれば、男がしつこい時にはあのイケメン君達が助けてくれるし、イケメン君達は目の保養で新しい恋を見つけるにはもってこいのBarってだけの事だよ。」
ケロリとそんな事を言う千里に呆れてしまう。
でも確かに千里の言う事にも一理はある。
このイケメン達との恋愛はさすがに不可能だけど、ナンパ君の中に自分の理想が居たら後は自由恋愛だ。
好みじゃない場合はイケメン君がヒーローのように助けてくれるオマケ付きなら、このお店に新しい恋を求める女の子が集まって来るのにも頷ける。
「お待たせを致しました。」
さっきの銀行マン風のイケメン君が私達にそれぞれのカクテルを出し、適当に頼んだおつまみをテーブルに置いてくれる。
「慎ちゃんは?」
この店の常連らしく千里が銀行マン風イケメン君に話しかける。
「慎也(しんや)さんなら今日は遅番です。」
フッと笑ってイケメン君が答える。
その笑顔にドキリとする。
やばっ…、マジに好みのカッコ良さ…。
馬鹿みたいに1人で鼓動が高鳴った。