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嘘やろ!?
第9章 夏休み
「なんべんも佳奈子には売春とかデリヘルみたいな事は止めろって言うたんや。」
私の腕を掴む透の手にとんでもない力が入るから腕に痛みが走った。
佳奈子と透が出会って3ヶ月ほど経った頃、店のメニューに必要な食材が足りなくて深夜に透が買い物に出掛けた時だった。
公園で3人の男に犯されてる佳奈子を透が見てしまった。
犯されてる?
佳奈子は悦んでた。
だから透はそんな佳奈子が悲しかった。
『俺が抱いたるから…、もう無茶すんのは止めろや。』
翌日に店に現れた佳奈子に透からそう言った。
佳奈子と条件を付けた。
男が欲しくなったら透を呼べという条件。
佳奈子がして欲しいセックスを佳奈子が望むようにするという条件。
女を知らなかった透に初めは佳奈子は満足をしなかった。
そのうちに透の身体に佳奈子が満足をするようになったように見えた。
「しばらくは佳奈子と普通に恋愛をしてると俺は勘違いをしてたんや。」
寂しそうに透が笑う。
佳奈子と恋愛をしてるんやと思うてたのは透の方だけだった。
佳奈子の方は全く透の気持ちは考えてなかった。
佳奈子が透に求めるのはあくまでも身体だけ…。
透が学校で居らへん時間にはやっぱり佳奈子は他の男にも抱かれてた。
透が止めさせようとすればするほどに佳奈子がムキになって男を渡り歩くようになる。
『お前が優しくすればするほど佳奈子は自分を傷つけるんや。それがセックス依存症で、それは専門の医者でも簡単には治されへんねん。』
遼さんが佳奈子に傷ついた透にそう言った。
結局、佳奈子を助ける事を諦めた透は去年の冬に佳奈子とは別れた。
だから、透は自分の恋愛を私と始めた。
なのに彼女は身体だけの関係の為に今でも透を求めて現れるらしい。
「ある意味、ストーカーみたいなもんや。危害はないから朱音が気にする事はないんや。」
寂しい笑顔のまま透が私の頭を撫でる。
ほんまにそれでいいんか?
透にそう聞きたくても店の時間だからと言って透は帰ってしまった。