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嘘やろ!?
第9章 夏休み
頭が熱くなる。
ゆっくりと透の舌が私の口の中を掻き回す。
身体が溶けそうなキス。
「佳奈子には誰に対しても愛がないんや。」
ゆっくりと私から離れた透が切羽詰まった声で言う。
どういう意味や?
身体だけの女って言い方を透はしてた。
「佳奈子はセックス依存症なんや。中学ん時に出会い系で会うた男にええように変な事を身体に仕込まれたらしい。」
泣きそうな透がそこに居た。
「はぁ?」
「詳しくは俺も知らん。ただ佳奈子は街に出ては男に身体を売っとる。それでも足らん時はタダでもええからって適当な男を携帯で募集して寝る女なんや。」
そんなとんでもない女の子となんで透が関わってんねん!?
「そんなん透に関係ないやん。」
「親父もそう言うた。だけど俺は佳奈子を救ってやりたかったんや。」
透がほんまに泣いてた。
ただ私に泣き顔を見せんようにして私の胸に透が顔を埋めて来た。
「佳奈子と出会ったんは俺が高1の時や。」
あの街では夜になると徘徊をする佳奈子という女は誰にでもやらせると既に有名になってた。
佳奈子は学校にも行かずに毎日男を求めては夜の街をふらつく。
「親父は関わるべきじゃないとは言うたんや。」
それでも時々、佳奈子が遼さんの店に来るようになった。
佳奈子の目当てはナンパ男…。
佳奈子はナンパをして来る男を絶対に拒否しない。
ある日、見るに見かねた透が佳奈子をナンパ男から助けてしまった。
透は助けたつもりだった。
『余計な事をせんといてよ!』
佳奈子は透を詰り、透は驚くしか出来なかった。
『そうやって行きずりの男にやらせて、自分を傷つけるのは止めろや。』
『アンタには関係ないやろ?』
それが佳奈子との関わりの始まりだった。