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嘘やろ!?
第9章 夏休み



「なぁ…、明日からどうする?」


透がご機嫌で聞いて来る。

今は透の部屋。

ベッドの上で壁にもたれて私を後ろから抱えてる。


「あほか…、明日も学校や…。」


私の言葉に透が目を剥いて来る。


「なんでやねん?夏休みやろ?」

「夏休みなんはアンタら学生だけや!」

「授業のない学校に行って何すんねん!」

「交代で出勤して学校に外部から連絡が来た時の対応とかするんや。」

「いつまでやねん?」

「7月は全部、8月からはそれなりに夏休みやけどな。」


透がふてくされよる。


「出勤は午前中だけや。」

「ほんまか?」

「昼には帰ったる。」


本当はあかん事やけどな…。

透との半同棲的な生活を選んでしまった。

後悔はない。

透と居たいと思うから…。

卒業まで後半年だけの事や…。

青いシーツの水槽から出なければ、その半年をやり過ごせると思ってまう。


「ほんまに学校なんやろな?」


髪を避けながらうなじに透がキスをする。


「どーゆ意味?」

「俺と居るのが嫌やからまた変な言い訳しとるんかとか思うんや…。」


拗ねた声…。

私の気持ちを透に言ってやった事がないから不安がっている声…。


「だったら、昼からも帰れへんけど?」

「あほ…、帰って来いや。」


私を抱きしめる透の手に力が籠る。


「なぁ…。」


そう言うて透が私の耳朶を噛みながら服の上から胸を触り出す。


「止めろ…、猿…。」

「猿…、言うな。」


ベッドで毎回やりたがるのは猿やろ?


「透には出来る事はしたる。その代わりにアンタの将来をちゃんと決めて欲しいんや。」


初めて透の目を真っ直ぐに見てその言葉が言えた。



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