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嘘やろ!?
第10章 芸術と科学
娘が持って帰って来た一学期の成績表を見た園田さんのお母さんが早速とばかりに中野先生に電話をして来たからだ。
園田さんに2を付けた教師は私だけじゃないやろ?
社会も古典も2だったはず…。
理数系のうちのクラスとは違う文系の中野先生のクラス。
そもそも化学の先生が何故文系クラスの担任なんだとまで文句を言われたらしい。
担任に関しては文系も理数系もない。
そこが大学進学校とは違ううちの学校。
中野先生の文句を私が聞いても仕方がないからと中野先生の愚痴を無視して学校を出た。
透の部屋に帰る。
透がまだ寝てる。
夕方まで帰らない方がええ?
そう思った瞬間に透が起きる。
「着替えてこっちに来いや。」
透が言う。
「暑いやん。」
「朱音が居らんと寝られへん。」
そう言うからエアコンを付けてパジャマに着替えてベッドに入る。
もう透の部屋を出るつもりはないんやという意思表示。
パジャマだから透のそばに居てやると見せると透が安心をしたように眠る。
その寝顔が可愛くて閉じ込めておきたいと思う。
もしほんまに神様が居るんなら…。
この子を幸せなまま寝かせてやって欲しいと祈る。
透の髪を撫でて透を抱えて時間まで寝かせた。
夕方には透が勝手に起きて店に行く。
11時に店に来いと透が言う。
ご飯を厨房で食べる為…。
私が居たら疲れるだけのこんな生活に透は満足なんかと聞いてやる。
「1人で飯を食うのが嫌なんや。」
寂しく笑ってそう言う透だから、それ以上は何も言えんと思った。
すれ違い…、顔が見れる僅かな時間にしがみつくような生活が続く中で初めての週末が来る。
土日は私が学校に行かない。
「ご飯は私が作ってええか?」
週末くらいは透をちゃんと寝かせて私が買い物とかをしてご飯を作ってやりたいと思う。