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嘘やろ!?
第2章 イケメン君
私の言葉に結愛が泣きそうな顔に変わってく。
「朱音、わかってるよ。わかってるから今日はもう帰ろうよ。」
とにかく今は帰る事に必死になる結愛。
それは彼氏が待っているから?
その彼氏だってさ、自分が気に入らなきゃ平気で他の女と浮気をするんだよ。
結愛にそう言ってやりたくて、その言葉は結局は自分自身を傷つけてると理解をする。
ああ…、もうやだ…。
「何がわかる?主婦にならないからって浮気をされた女の気持ちなんか結愛にわかるわけないよ。」
さすがにここまでは言ってはいけないとわかってて私はカクテルを煽りながら結愛に言ってしまった。
「ごめんね、朱音…。私はもう帰るね。ここまでの支払いはしておくからね。」
私の言葉に傷ついた結愛が俯いたまま帰った。
「あらら…、結愛たんが帰っちゃった。」
ご機嫌に酔っている千里がおどけたように言う。
「リア充は放っといて飲むぞ。千里。」
「はいよ!」
更に千里と飲んだのが間違いだったと思う。
「朱音ー、そろそろ閉店時間だから帰ろう。」
千里がそう言った時には私の目は完全に座ってた。
時刻は午前3時…。
これで帰れば1人の日曜日は二日酔いで眠ってる間に勝手に終わってくれるはずやわ。
「よっしゃぁっ!そろそろ帰ったるかぁ。」
完全にオッサン化をしてた私。
席を立ち、千里が支払いを済ませてくれる。
ふらふらとしながらBarの出口へと向かう。
もう、来た時の状況を綺麗に忘れてた。
このBarは2階…。
つまり出口を出てすぐに狭い階段がある。
その階段が歪んで見える。
「あれぇ…?」
のめり込むように頭からその階段にダイブをした。
「危ないっ!」
誰かに腰を掴まれた。
その腕は力強くて私をしっかりと抱きしめてる。