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嘘やろ!?
第10章 芸術と科学
それでも遼さんの部屋に入り遼さんと話をする。
「透は?」
「まだ寝てます…。」
「ああ、だから俺に抱かれに来たんか?」
「違いますからっ!」
「ほな、なんで来たんや?」
とぼけたように遼さんが聞いて来る。
透もそうだけど遼さんは私が来た理由をわかってて聞いて来る。
「もしかして私がここに居るのは透の邪魔になってんのかとか思ったんで…。最近の透…、ほんまに寝てばかりやから…。」
遼さんになら簡単に本音が言える。
「考え過ぎやと思うで…。」
「そやけど…。」
遼さんが指先で私の口を塞ぐ。
「あんな、透は元々夏が苦手な子やねん。小学生の頃の夏休みは昼も夜も寝てるような子やったんや。」
遼さんが笑いながら教えてくれる。
「今は小学生と違います…。」
ふてくされて遼さんに言う。
「一緒やで…。今、何時や?」
「そろそろ7時くらいです。」
透が買ってくれた腕時計を見て答える。
「まぁ、見ててみ…。」
そう言う遼さんが腰のタオルを外すから慌てて顔を背けた。
「透と同じようなもんやで?照れんなや。」
遼さんがトランクスを履きながらニヤリと呑気に笑った時だった。
いきなり遼さんの部屋の扉が開き
「親父、悪い!今日は店を休む!」
そう叫ぶ透が居た。
「なんで休むねん?」
「朱音がっ!」
「朱音ちゃんやったら…。」
遼さんが私を指差し透が完全に固まってる。
どう透に言うていいのかわからない。
遼さんはトランクス1枚の姿で私は遼さんのベッドに座ってる。
えーっと…、どない言うべきなんやろ?
そんな事を考える。