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嘘やろ!?
第11章 プライド



8月になる。


「起きや!」


夕方に私の方が透を叩き起す生活に変わってた。


「もう…、ちょい…。」

「やかましい…、早う仕事に行け!」

「朱音…、お前って結構冷たいな?」

「ケジメがないんは嫌いなんや。」


頭をボリボリと掻いた透が風呂に消える。

透を店に叩き出してからやっと私の時間だからだ。

掃除や洗濯、ご飯を作る。

透が昼間は寝てるから夕方に透が起きてから一気にやるしかない。

学校に行かずに専業主婦のような時間があるから出来る事だと思う。

やっぱり、仕事を辞めるしかないんかな?

店に行く透を見送ってそう思う。

夜の11時に一度透が帰って来る。

ご飯を食べる為の休憩時間。


「なぁ…、透は大学に行ってもBarで働くんか?」


そんな話を聞いてみる。


「いや、高校を出たらこのマンションを出る予定や。」

「はぁ?」

「言うたやろ?扶養家族のうちは家の手伝いをする。そやけど高校を出たら扶養家族は終わりや。だからアプリの収入で生活は出来るから、ここを出る。」


そんな事を既に決めてんのか?


「遼さんはそれを認めてんのか?」

「ああ、親父は好きにしろ言うとるからな。」


それだけを言うと透は店に戻る。

遼さんはどういうつもりなんやろ?

口出しが出来る立場ではない。

教師やからというて家族の問題にまでは関わるべきじゃないと学んで来た。

なら教師でなく透の女としてなら?

それでも口を挟めるほどの関係だとは思わない。

ただ遼さんが私を黙って受け入れてくれてる。

ダメなら遼さんが透に私とは別れろと男としてアドバイスをする。

それでも透が受け入れない場合は遼さんは透の好きにさせる父親だ。



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