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嘘やろ!?
第11章 プライド



「なんで水着なん?」


透が走らせる車で聞いてみる。


「来週から交代で店を休むから俺も4日間は休みなんや…。予約したから和歌山へ旅行に行くぞ。」


一方的に透が言う。

こういうのにも慣れて来た。

透は透が行きたいと思うところへ私を連れて行く。

そこには私の意見が何故かちゃんと入ってる。

例えばパソコンのテレビを見ててテレビで紹介されるような美味しそうな焼肉屋に私が行きたいと言う。

その週末の日曜日にはテレビで見た店は無理でも、それなりに有名な店に透が連れてってくれる。

Barのお客から色々と話を聞いてる透は色々な場所を知ってる。


「異人館で飯を食おうや。ミシュランガイドに載ったらしいぞ。」


そんな風に私が行きたいと思うような場所を必ず組み込むデートをしてくれるから透のデートに文句を言った事はない。

透がそういう子だから自然なままで居られる。


「ケーキは?」

「帰りにチーズケーキを買うたる。親父も好きな店があるから買うて帰ればええやろ?」


ご機嫌な時は遼さんにお土産も買うて帰る透。


「遼さん、甘いもん好きやなぁ…。」

「俺は朱音が好き。」


止めろ…。

照れくさい…。

透から目を逸らす。


「可愛くねぇ…。」


透が口を尖らせて運転をしてた。

神戸の百貨店で水着を買う。

ハイネックビキニにパレオスカート付き。


「胸の谷間は出すな…。」


それだけが透のこだわり。

けどパンティが結ぶだけの腰紐やで?

そう聞いたら


「脱がせ易いやん。」


とか言いよる。

他の男に胸を隠せと言い、自分はエッチする気満々とか…。

どんな考え方やねん。

買い物を済ませて、こだわりの変態高校生とデートをする。


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