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嘘やろ!?
第12章 繁殖
透を傷つける事だけは出来ない。
出来るだけ透が傷つかない道を選ぶにはどうすればええかを考える。
ずっと考えてるうちにサウナだったからかなり逆上せてしまった。
「あかん…。フラフラや。」
そう言うてお風呂から上がった私を呆れた顔で透が見てる。
「さすがに旅館の人に頼んで呼びに行って貰うか考えたやんけ…。」
鋭い目で私を睨む。
てっきり透が先に部屋に帰ってると思うてた。
部屋の鍵は私が持ってた事を綺麗に忘れてた。
1時間半を透は女湯の前で待ち続けたらしい。
「透…。ビール…。」
「へぇへぇ…。」
「うわっ!バーテンダーの態度が悪っ!」
「うちの店は客を選ぶって知ってて喧嘩を売っとんのか?」
透とつまらない口喧嘩をする。
そうしないと落ち着かない。
部屋に戻るとぴったりとくっつけられた布団が2枚敷いてある。
透の浴衣姿にドキドキとする。
「俺も飲もかな?」
「あかん…、子供は牛乳や。」
「もう大人やてわかっとるくせにか?」
ビールをグラスに注いでから私を抱っこして透が窓辺にあるソファーに座る。
ビールのグラスを私に渡すと透の手が浴衣の上から太股を撫でて来る。
「こそばゆいから、ビールが飲めん。」
「なら、あんま飲むなや。」
透が叱るように言う。
いっつもそう…。
透と暮らし出してビールやお酒の飲み過ぎを透に注意されるようになった。
「まだ3本目やん。」
「つまり1.5リットルを飲んどる。」
「サウナで出したで…。」
「酒飲んでサウナに入んな。」
コツンと透の額が私の額に当てられる。
透の言う事を素直に聞くのがお互いが一番傷つかへんのかな?
ビールのグラスをテーブルに置く。