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嘘やろ!?
第13章 新学期
茶髪にピアス…。
そこそこのイケメン…。
だけど遼さんには及ばないと思う。
首には趣味の悪いネックレス…。
「何…、お姉さん、1人なの?」
わざとらしく茶髪の友達2人が現れた。
紛らわしいくらいに残りの2人も茶髪にピアス…。
腕には300万はする高級時計…。
ホストやな。
そう思う。
そこそこの顔立ち…。
自分達が振られるとは思ってない自信に溢れた笑顔を私に向けて来る。
「だから…、彼氏が待っとるから…。」
そう言ってその3人から離れて歩く。
「なら、彼氏のところまで付き添ってあげるよ。」
自分達の方が私の彼氏よりもカッコいいと思わせたいらしい。
嘘やろ!?
勘弁してや…。
透が不機嫌になるやん。
「付いて来んといて…。」
振り払うようにして早足で歩きたいのに、慣れない砂浜では思うように足が進まない。
「朱音っ?」
透が私を迎えに来てた。
すぐに透の腕にしがみつく。
「どうした?」
ナンパ男達にまだ気付いてない透が私の頭にキスを落とす。
「向こうに焼肉屋の海の家があった。後で行きたいねん。」
透に何事もない顔をする。
ナンパ男達は黙って私の横を通り過ぎる。
間違いなくイケメンで若い透が私の彼氏だと納得をしたらしい。
「海に来ても焼肉か?」
「あかんのか?」
「ええけど、サンオイルを背中に塗ってくれや。」
透とジュースを飲みながらビーチチェアに戻る。
迂闊に透から離れるのは止めよう。
そう思いながら透の背中に乗る。
「ほんまは何があってん?」
透が少し不機嫌に聞いて来る。
やっぱり見抜いとる。
諦めてため息を吐いた。