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嘘やろ!?
第13章 新学期



その汗に焼けた肌が沁みて更にヒリヒリとしよるからとても寝れる状況ではなく透にしがみつきながら泣くしかない。

透が旅館から冷却剤を貰ってくれる。


「脱げ…。」


浴衣を脱ぎ布団の上にうつ伏せに寝かされて焼けた肩や腰に透がタオルで巻いた冷却剤を当てて来る。


「うぅっ…。」

「だから飲むな言うたんや。」

「しつこい…。」

「今夜は黙って寝ろ…。」


透が髪を撫でてる。

歌声がする。

鼻歌?

なんの曲やろ?

懐かしいような聞いた事がないような…。

少しずつ身体の痛みと熱がなくなると逆に気持ちが良くてふわふわとした感覚に陥って来る。


「透…。」


そう呟いて眠ってた。

透の大きな手がずっと頭を撫でてくれるからほんまに気持ちがええと思った。

目が覚める。

透がまだ眠ってる。

浴衣を着て透の頭を撫でてみる。


「身体はどうや?」


透がゆっくりと目を開けるから透にキスをする。


「もう平気や…。」


今しばらく透とこのままで居たいと願う。

今日は大阪に帰る日。

明後日からは透と夜行性の生活に戻る。

そこから2週間もすれば学校が始まる。


「観光して帰るか?」


朝食を食べながら透が聞いてくれる。


「そんなら那智の滝を見たい!」


和歌山と言えば那智の滝と思ってた。

私の言葉に透が驚愕の顔をする。


「無理なんか?」

「無理やないけど…、お前…、地理はわかってんのか?」

「地理?」

「お前…、英語だけで教師になったクチやな。」


完全に透が私に呆れてた。

透が言うように私は文系の英語だけで教師になったのは事実だ。

社会は地理が苦手で歴史だけで点数を稼いだ覚えがある。


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