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嘘やろ!?
第13章 新学期
科学…?
「これも科学か?」
不思議に思って聞いてみる。
「滝までの距離、滝を感じられる距離、滝に当たる光の美しさ、それら全てが計算された上で人工物と自然を共存させている。自然科学の成せる技やろ。」
科学大好きの透に吹き出して笑ろてまう。
「なんやねん?」
「なんでも科学やな?」
「科学があるから人は進歩するんやで?」
自分の好きな事を嬉しそうに話す透が好きや。
普段はクールでニヤニヤとばかりしててあまり話をしてくれない。
透との静かな時間も好きやけど、透の言葉はもっと聞きたいと願う。
神社に行き祈ってまう。
ほんまに神様が居るか居らんのかはわからん。
ただ祈る。
透ともっと居させて欲しいと…。
ふと透の顔を見上げる。
綺麗な横顔…。
神様って非科学的?
透に聞いてみる。
「非科学的とまでは言うつもりはないけど…、宗教が科学の妨げになった事実は否定せんよ。」
お昼ご飯を済ませて大阪へ向かう車の中で透が教えてくれる。
「妨げ?」
「なんでも神の力や言うて宗教が認める神の力しか科学を認めない時代があったやろ?」
「ああ…。」
そんな話を聞いた事がある。
天動説と地動説が有名な話だ。
私の場合は英訳として地動説よりも太陽中心説と訳す方が正しいと言われた部分だけが印象に残ってる。
宗教に支配をされた人々は神が居る地球を中心だと思ってた。
今は宇宙に出る力を得た人々は太陽の周りを地球が回ってんのが当たり前の感覚になってる。
「なら宗教は否定するんか?」
「いや、神の力はあると思う。だから奇跡が起こるんやろ?夢が無かったら科学なんか滅ぶだけの学問になるやんけ。」
考え方のスケールが違う透にいつも感心する。
勝手な時だけ神頼みの私とは違うと感じる時は透が遠くに感じる存在であり、怖くなる。