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嘘やろ!?
第14章 体育祭のヒーロー
日曜日だから透と出掛ける。
神戸の中華街へ行く前に透が靴を買うてくれる。
透だけが居れば何も要らんのに…。
その気持ちを伝えてないから透は当たり前のように私を甘やかし続ける。
中華街…。
ランチに飲茶を食べまくる。
「やばい…、食べ過ぎた。」
「なら、ちょっとあちこちを散歩するか?」
車を預けてから港側の大型ショッピングモールに向かって散歩する。
「ねぇねぇ…、見て…。」
「キャーッ!」
「やろ?やばいーっ!」
女子大生くらいの若い女の子が透を指差してんのがわかる。
ああ…、またか…。
私がそばに居ても女の子達は透を見る。
まさか私って透の家族とかに見られてる!?
歳の離れたお姉さん?
恋人というには相応しくはないわな…。
「なぁ…、バスマットが欲しい言うてたやろ?どんなんがええねん?」
透にいきなり言われて焦った。
「へ?何が?」
「風呂上りにバスマットがないから床がビショビショで嫌やって文句言うやんけ。」
「あー…。」
バスマットの事は確かに言うた。
今は雑貨屋を透と物色中…。
部屋に物を増やしたくないて透が言うたからバスマットの事なんかとっくに諦めてたわ。
「何を考えててん?」
透が私の頭をワシャワシャと撫でて来る。
「止めてや。」
そういう子供っぽい事をされるのにイラついた。
オバハンにやる事ちゃうやろ?
そんな嫌味を吐きそうになる。
「どないしたんや?」
「別に、透って若いよなとか思うただけや。」
「朱音も可愛いやんけ。」
いつもの笑顔に腹が立つ。
「オバハンのどこが可愛いねん…。」
「何が気に入らんねん?ちゃんと話せや。」
透の目付きが変わる。
猫のような目を鋭くして男の目へと変化する。