この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第14章 体育祭のヒーロー
結局、透には勝てないのだと納得をしたまま学校生活は体育祭に向かってく。
高校生ともなれば保護者もイベント事には無関心になりがちだから学生達はやる気の無さを露骨に態度に表して来る。
体育祭が日曜日だから今週は透の部屋には行けない。
「打ち上げをやるつもりなら、必ず先生に一言言うてや。友達同士数人でやる分は好きなようにしてええからね。」
前日にそんな言葉を生徒に言って終礼を済ませる。
職員室に向かうと待ってましたとばかりに中野先生が私のところへとやって来た。
「ちょっとよろしいですか?」
中野先生にしては結構真剣な面持ちをしてる。
「何か?」
「吉岡ですが、明日は来ると思いますか?」
「そりゃ、来るでしょう?」
「出来たら休んでくれると有り難いんですけどね。」
はぁ!?
嘘やろ!?
何を無茶苦茶な事を言うてんの?
この人、頭がおかしいんか?
呆れて中野先生を見た。
「最近、園田の周りを吉岡が彷徨いてますよね?明日は間違いなく園田の保護者が来ると思うので迷惑になるんですよ。」
大袈裟に中野先生がため息をつく。
「お言葉ですが…、うちのクラスに押し掛けて来てるのは園田さんの方です。」
「なら、楠木先生から園田の保護者にそう言うて貰えますか?僕の方からは一応園田には吉岡に近寄るなとは注意をしましたから…。」
中野先生とはこれ以上は会話をしたくないと思い、早めに職員室を出て教室の戸締りに向かう。
今日は透も園田さんも居ない事にホッとする。
園田さんの母親が騒ぎを起すのは迷惑だとは思う。
そやけど体育の授業をサボりがちな透には体育祭で出席日数を稼がなければ単位が危ないと叱ったばかりだ。