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嘘やろ!?
第15章 シェルター
「嘘やろ!?」
遼さんが言う。
「すみません、仕事が入ったので…。」
それだけを伝えて店を出た。
今は透とは顔を合わさない方がええ…。
後4ヵ月ほどの辛抱やん。
そのくらい透なら大丈夫やわ。
教師として透にケジメを付ける。
それが透の為やと思ってた。
普通の学校生活…。
ノルマの為の授業。
透は眠るだけ…。
透へのギャラリーが日に日に増えてく。
そんな中で園田さんが勝ち誇った顔で透に寄り添う毎日…。
私は黙ってそれを見て見ぬ振りをする。
彼に愛されてるんは自分だけだとという自信から来る余裕。
こんなくだらん事で透の未来を絶対に潰せないという決意。
透は頭のいい子やからちゃんとわかってるはずや。
独り善がりな決断…。
金曜日の放課後…。
戸締りに来て笑ってまう。
窓のカーテンが既に閉まってる。
教壇にある私の机にもたれて私を待って居たのは透。
「放課後は残ってたらあかんて言うてるやろ?」
黙って私を扉の横の壁に隠すようにして身体を押し付けて来る。
「旅行に来ないつもりなんやろ?」
「うん…、後ちょっとの辛抱やん?」
「俺は我慢が出来ん…。」
透のキス…。
「学校ではあかん…。」
「学校以外でも時間をくれへんやんけ。」
「我慢くらいしてや。私の頼みやん?」
「いつまでや…?」
「卒業まで…。」
「絶対に無理や。学校…、辞めたなる。」
「頼むから…。」
これ以上は聞きたくないと透がキスで私の口を塞ぐ。
「俺の事、好きか?」
「それは言われへん…。」
「信じれるものくらいくれや…。」
切羽詰まった透の声に胸が痛む。
だけど甘かった。
大人びた透やから大丈夫やろうという私の考えが甘かった。