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嘘やろ!?
第15章 シェルター
二十数人の子供達…。
こんなに居るのかと驚く。
毎月のように子供達の一部は入れ替わるらしい。
ここはあくまでもシェルター。
親元に返されてはここに戻って来る子も少なくないと学園長が嘆く。
「返さなければ良かったという子も居ました。」
命を失くした子…。
学園長の責任ではないのに学園長が苦しい顔をする。
親元には絶対に返せないと判断をされた子供達は普通の施設に移される。
ただし、カウセリングなどを受けて虐待の傷が癒えたと判断をされた子供達だけ…。
傷がなかなか癒えない子供はこのシェルターに長く留まる。
学園長のケーキを拒否する子も居る。
自分はそんな贅沢なものを食べてはいけないのだと思い込んでる子だ。
涙が出そうになる。
「泣いてはいけません。笑ってあげて下さい。彼らは決して不幸な子供ではないのだと解らせる為に笑ってあげて下さい。」
学園長が私を叱る。
この子供達に比べれば、うちの学園の子供達の扱いくらい楽なものだと学園長が私に教える。
子供達と誕生日会を過ごす。
貴重な体験。
「ありがとうございました…。」
素直に学園長に頭を下げた。
「いえいえ、もう1箇所にも付き合って下さいね。」
そう言われて学園長の車に乗る。
もう1箇所?
次の目的地はかなり立派な一軒家。
「ここ…?」
「僕の家です…。楠木先生が来るのを楽しみにしてる人が居ますから…。」
楽しみにしてる人?
玄関を入る。
「お邪魔します。」
「いらっしゃい、楠木さん。」
私を楠木さんと呼ぶ懐かしい顔がある。
学園長と同じように仏の顔をした先生。
今は姉妹校で学園長をしてて、当時は私の英語の先生をしてくれた憧れの先生。