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嘘やろ!?
第15章 シェルター



恋愛というほどではなかったけど、優しくて仏のようにいつもニコニコとする梶谷先生が大好きだった。


「楠木さんはいい人を見つけたの?」


そんな大人の話を先生から聞かれるとかドキドキとする。


「いい人は…。」


透の顔がチラつく。

だけど、それを悟られる訳にはいかない。


「教師は出会いがないからねぇ。稔みたいに手遅れになると楠木先生が心配をされるよ。」

「お父さん…、僕の事はいいんです…。」

「よくないよ。この歳で孫も居ないとか…、学園長の寄り合いで恥ずかしいんだよ。」


梶谷先生が子供みたいに膨れっ面を見せたから思わず笑ってもうた。

私立学校だけの集まりなどがある。

授業内容や学費などを出来るだけ競走にならないようにとの話し合いをする為だ。

そんな学校の裏話を学園長や梶谷先生と色々とする。

学生時代はわかってなかった話。

今は教師として実情がわかるからこその話をする。


「保護者に振り回される事が増えましたね。SNSやらツイッターでの情報拡散があっという間の時代ですから。やりにくい時代になりました。」


ちょっと注意をしただけで体罰だと騒ぐ時代。

子供も保護者も過激な時代。


「しっかりと気を付けます。」


自分の行為を改めて見直さなければと考える。

夕食を頂き、学園長が私を送ってくれる。


「また、誘ってもいいですか?」

「私で良ければ…。」


きっとシェルターの子供達のところへだと思った。

そんな休日の後は中間テスト…。

そして文化祭…。

行事ごとがあまりにも多くて身動きが取れない毎日。

透はずっと眠ってる。

文化祭が終わる頃には寝てばかりの透に飽きたギャラリーが減った。


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