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嘘やろ!?
第16章 信頼
学校へ行く…。
自分のノルマをこなす。
眠ってるだけの透すら見ないようにする。
見れば泣いてまうから…。
毎日、帰って夜に泣く。
「先生?病気か?」
終礼を済ませて教室を出ようとした私を沖田さんが呼び止めた。
「えっ?」
「やばいくらい痩せたでぇ?大丈夫ーっ?」
「うん…、大丈夫よ。」
「ほんまに?」
「うん…。」
「うちら先生に苦労掛けてるから心配やわー…。」
「大丈夫。ありがとうね。」
無理に笑顔だけを作る習慣が付いた。
今週はこのクラスで最後の三者面談。
来週は期末テストで、それが終われば冬休み。
痩せたかな?
ご飯はいつ食べたっけ?
時間の感覚がおかしなる。
冬休みまでの辛抱やから…。
それが終わればひと月もせずに卒業式。
大丈夫…。
ちゃんとやれるよ。
私は教師なんやから…。
そのプライドだけで自分を支えてた。
教師だから…。
そこに頼るしか生きて行く道が見えなかった。
最後の三者面談。
一番バッターはゲーマーの松野君…。
今日はゲームをせずに真っ直ぐに私を見てる。
「専門学校で一番になれるように頑張ってみる。」
そう言うて松野君が笑う。
「何があったの?」
「吉岡がマジで走った時、カッコいい思った。俺も男なんやからカッコいい生き方したいんや。」
松野君の言葉が嬉しかった。
松野君のお母さんは涙ぐんでまで喜んでた。
安定した三者面談だった。
沖田さん親子…。
「1年だけフリーターを許したるわ。」
「オカン?ほんまか?」
「オカンはアンタと違うて嘘は言わん。」
「オカン!カッコええし!」
沖田さんが2学期に成績が上がり頑張った結果だった。