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嘘やろ!?
第16章 信頼
中野先生がニヤニヤとする。
「学園長とデートですか?」
下品な笑い声を出して来る。
「違います。」
「クリスマスにわざわざ待ち合わせでしょ?それを世間ではデートと言うんです。」
「学園長はそんな方ではありません。」
「ですが世間はそう思ってますよ?学校の前でデートの待ち合わせをすれば噂になって当然ですよ。」
中野先生の言葉に驚愕をした。
「噂…、ですか?」
「生徒や先生方が何人も見てますからね。」
「でも…。」
学園長はそんな人じゃない!
そう叫ぼうとした瞬間…。
「シェルターの慰問ですよね?明日は私も行きますよ。」
優しい声がする。
副学園長が優しく微笑んで私を見てた。
「シェルター?」
中野先生が不思議そうな顔になる。
「虐待を受けた子供達を保護する施設ですよ。学園長は毎月慰問をされてて最近は楠木先生も参加されてます。中野先生もご一緒にどうですか?」
「いや、私は予定があるので…。」
副学園長にはオタオタとする中野先生をみっともないと思う。
「下衆な噂は広まると困りますね。」
副学園長が中野先生に聞こえるように私を庇う。
「学園長は尊敬に値する人ですから…。」
私もそこははっきりとさせておく。
「では、シェルターで会えるのを楽しみにしています。」
副学園長が穏やかな笑顔のまま立ち去り中野先生も自分の仕事があるからと消えた。
私は戸締りをして帰ろうと思った。
教室に向かう。
既にカーテンが閉まってる。
透が居る。
教室に駆け込んだ瞬間には身体が扉の横の壁に押さえ付けられた。