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嘘やろ!?
第16章 信頼
翌朝は普通に目が覚めた。
シャワーを浴びて買い物に行く。
山ほどの色鉛筆、画用紙や塗り絵。
紙袋いっぱいに買う。
おひとり様でパスタのランチ。
私の前にテーブルを挟んで透が座ってる。
私に優しい笑顔を向けてくれる。
幻の透…。
永遠に感じる1人の時間をやり過ごす為に私の頭は妄想の透を作り出す。
また科学の話をしてる。
非科学な奇跡を信じてるくせに…。
透に笑ってた。
家に帰れば歌う。
遼さんの歌…。
それがなければ眠れない。
長い夜が怖いの…。
だから透…。
私の為に歌って…。
そうやって長い1日が終わる。
永遠とは苦しみ以外の何ものでもないと学習をした。
紙袋を持って学園長との待ち合わせに向かう。
「それは?」
「子供達へのプレゼントです。今日はクリスマスですから…。」
「ありがとうございます。」
学園長の子供達じゃないのに学園長がとても嬉しそうに笑顔を見せて来る。
「でも、学園長…。もう行きません。」
「それは噂が原因ですか?」
「違います。」
「楠木先生には申し訳ない事をしたと思っています。年頃の女性に僕みたいな男と噂になるとか…、本当にすみません。」
学園長の平謝りにふふっと笑ってた。
「違うんです。とても笑顔にしたい人がいるんです。」
私の言葉に学園長が目を見開く。
「大切な人ですか?なら、あんな噂はますます困りますよね?今日も止めておきますか?」
どうやら学園長はあわてんぼうらしい。
「だから学園長ってば…、違います。確かに私には大切な人です。でも、私にはその大切な彼を笑顔にする事が出来ないんです。そんな私がシェルターの子供達を笑顔にするとかおこがましいと思うんです。」
ゆっくりと学園長に私の気持ちを伝える。