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嘘やろ!?
第17章 卒業
一番最後で透が居ない事に今更気付くとか…。
教師として失格と言われても仕方がないと思う。
そりゃ、2学期で卒業見込みは決定がする私立学校だから3学期なんか意味はない。
それでも私の夢だった。
このクラスの皆んなで卒業をするのが目標だった。
誰1人かける事なく…。
透っ!
学校がそんなに嫌になったか?
全部私のせいか?
ますます夜が長くなった。
自分がどんな行動をしてたんかさえわからん。
「楠木先生…、お疲れ様でした。しばらくはゆっくりと休まれて下さいね。」
学園長の笑顔があった。
涙を流す私が居た。
子供達が私に駆け寄って来た。
「先生、ありがとう…。」
「先生、またな。」
皆んなが卒業をして行く。
その中に透の笑顔はなかった。
朝…、目が覚めた。
歌を歌いながら家を出た。
見慣れたマンションの前まで行き、見慣れた鉄の扉を叩く。
インターホンの呼び鈴を何度も押す。
「やかましい!誰やねん!」
トランクス1枚だけの遼さんが飛び出して来た。
今は午前中…。
透を起こす勇気がなかった私はまた遼さんに逃げてた。
笑顔を作ったつもりだった。
「透…は元…気で…すか?」
震える声、頬が濡れる…。
遼さんが私の涙を拭ってくれる。
「何しに来てん?」
透と同じように冷たい声でそう言った。
涙は拭われても止まらない。
「ゔぇぇぇぇ…。」
半裸の遼さんにしがみつき泣いた。
「わかった、わかったから泣くな。」
遼さんの方は透ほど冷たくはなりきれない人。
私の手を握り遼さんの部屋に入れてくれる。
寒いからと透と似たようなスウェットを遼さんが着た。