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嘘やろ!?
第17章 卒業



ただ泣いた。

ヒックヒックと泣きじゃくる。


「なぁ、別に責めとるつもりはない。だけどもう1度だけ聞く。」

「ゔあ?」

「ここには何しに来た?楠木先生…。」


朱音ちゃんとはもう呼んでくれない。

何しに来た?

私は楠木先生?

だって透は卒業をした。

教師としての透との関係は何もない。

楠木先生として来たならここに来た意味が何もないと遼さんが私に言う。


「透がっ!透が居ないから…。」


私は楠木先生じゃない。

私は何?

透を探すだけの女?


「透なら正直に言うと俺も1週間くらい見てない。今年に入ってからやる事があるから店を休む言うて店にも来てないんや。」


遼さんが私の頭を撫でて来る。


「店にも?」

「飯もほとんど食うとらんと思う。」

「なら…、透は何をしてるんです?」


遼さんがふふっと笑う。


「それは朱音ちゃんがほんまは一番わかってなあかんはずやけどな。」


その言葉に傷ついた。


「私は…、もう透に愛想つかされた女やもん。」

「ほんまか?」

「そうです!」

「ほな、確認しよか?」


へ?

確認?

遼さんが私の手を握り無理矢理に部屋を出る。

遼さんの部屋の扉の2つ向こうまで行く。


「コラッ!クソガキ…、居るなら出て来いや!」


呼び鈴を使わずにガンガンと鉄の扉を蹴り飛ばす遼さん…。

近所迷惑やし…。

死にたいくらいに恥ずかしい…。

だけど遼さんが私をしっかりと抱えてるから逃げたくても逃げられない。


「やかましい!クソ親父!」


やっぱり遼さんと似たようなスウェット姿で扉を開けた透が飛び出して来た。

恐る恐ると透の顔を見る。

透の方は遼さんの腕の中に居る私を睨んでた。


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