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嘘やろ!?
第17章 卒業



身体が竦む。

遼さんのスウェットを握り締めてまう。

透の冷たい目が怖くて見る事すら出来ない。

頬に何かが当たる。

チュッ…

リップ音がする。


「俺の女を怯えさすなよ…。」


腹の底から聞こえる声。

遼さんが本気で透を怒ってる声…。

何故か身体が震え出す。

俺の女?

何の事?


「ふざけんな…、クソ親父…。」


更に遼さんよりも怒りを含んだ声がする。

次はその声にビクンッと身体が強張る。


「俺はふざけてねぇよ?朱音ちゃんは透に捨てられた言うとるからな。なら俺が貰う。次からはお母さんと呼べや…。」


状況の整理をせんとあかんと必死になる頭だけが色々な事を考える。

えーっと…?

これって…遼さん…、透を煽ってるだけやん!?

ますます話がややこしなるわ!

無理に身体を動かして慌てて遼さんから離れようとしたけどがっちりと私の身体を抱いてる遼さんの腕から抜け出せない。

変なジタバタを繰り返す。


「あほか、何してんねん。」


腕が痛いくらいに掴まれて引き寄せられる。

遼さんの腕がスルリと外れて今度は透の腕の中。


「なんべん教えたらわかんねん?クソ親父にだけは惚れんな言うたやろ?」


遼さんがキスをした頬をベロっと透が舐めた。


「透…?」

「捨てた覚えはない。ただ浮気だけはすんなと言うて来たはずや。」


真っ直ぐに透が私を見てる。

鋭い目…。

やっぱ身体が強張ってまう。


「先に…浮気…したんは透…の方やろ?」


俯いたまま震えた声で透を責める。


「俺が?いつ?」


透がとぼける。


「お前が先に浮気したんか?」


遼さんが笑う。

涙が出て怒りが湧く。


「ラブホに行った言うたやん!」


段々とこのクソ親子に腹が立つ。


「あー…。」

「ラブホな。」

「行った行った。」

「来た来た。」


何故か2人で同時に答える。

なんやねん!?

この親子!?

私だけが話を見えてない。


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