この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第17章 卒業
その後から透とはスレ違いになって…。
「後2週間ほどで前期の2次やけど…、お前はここに何しに来たんや?」
この状況で言えるのは…。
透さんの勉強の邪魔をしに来ました?
小さなテーブルの上に積まれた赤本を見るとそう答える羽目んなる。
「朱音ちゃんはあほの子やな。」
透が笑う。
やっと笑ってくれる。
「でも…、透…。」
「わかってる。俺も悪い。狸親父に宣戦布告されてイラついて朱音にキツい態度になったからな。」
「狸親父?」
「学園長の奴、うちの店に来やがった。」
嘘やろ!?
「まさか…、透…。」
「俺は店の厨房に居ったから話はしてないし、学園長も探りに来ただけやて親父が言うから、朱音に突き放した態度を取るしかなかったんや。」
「学園長…、いつ来たんや?」
「終業式の前日、酔ってないくせに酔ったふりをして親父に色々と話をしやがった。」
学園長は遼さんが透の保護者とわかってる。
体育祭で遼さんを見たから…。
「世間話として上司やのに部下に一目惚れをしたんやとか言うてたらしい。だからクリスマスには必ず口説き落とすとか宣戦布告だけして帰りやがった。」
だから透はクリスマスは透のところに来いと言った。
それを出来ないと言った私を無理矢理に抱いた。
「死ぬほど怖かったんやからな!」
「そんなにビビるとは思わんかったんや。俺が抱いてんのに、なんでビビんねん?」
いやいや、普通に怖いやろ?
「問題はな…。」
「なんやねん?」
「朱音、クソ親父を本気にさせた。」
「はぁ?」
「親父…、朱音を俺の女や言うたやろ?」
「それが?」
「隙見せたらマジで抱きよるぞ。」
思いっきり鳥肌が立った。
嘘やろ!?
遼さんはないやろ?
透がため息をついた。