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嘘やろ!?
第18章 受験日
「彼のように特別で難しい子の母親になるのは若い楠木先生にはとても難しい決断になります…。」
学園長がかなり厳しい顔をした。
へ?
母親?
「誤解です…。学園長…。」
「無理はもうしなくても結構ですよ。楠木先生も随分と悩まれたのだろうと思いましたし、僕で力になれるのならとも思いましたが…、悔しいですが彼のお父さんは男として立派な方だとも思いました。」
あかん…。
完全に誤解を招いとる。
目眩がした。
倒れそうや…。
私が透と離れて苦しんだ原因は遼さんが原因と思われてる。
つまり私の悩みは学生との禁止されてる恋愛を悩んだのではなく、その父兄との恋愛だから悩んでたんやと学園長が完全に誤解してる。
ここで変に否定をして更に話をややこしくする訳にはいかへん。
「学園長…、前にも言いましたが、あくまでも私の一方的な思いなんです。」
ここはひとまず片思いを突き通す。
そうすれば後々は私が遼さんを諦めたという形で誤魔化せる。
「そうなのですか?」
「はい…。」
「なら…、もしかするとまだ僕にもチャンスはありますかね…。」
いやいや、それはない。
学園長…。
そのあわてんぼうをまずは治して下さい…。
「とにかく、学園側としては学校外の私事にまでは口を出すつもりはありません。その代わり、来年度には楠木先生には少し苦労をして頂きます。」
学園長が再び仏の顔へと戻ってた。
「苦労ですか?」
「はい…、楠木先生には来年度に新1年生の担任を受け持って頂きます。」
………。
うげっ!
嘘やろ!?
マジですか!?
泣きたくなる。
新1年生を受け持つ。
つまりは受験生の段階から学生を見る事になる。
仏の学園長が鬼に見えた。