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嘘やろ!?
第18章 受験日
今は暇な3年生の元担任…。
暇ならこき使ってやろうという命令。
透の受験前やのに…。
来週には一気に届く願書の確認や受験生の対応をしなければならない。
うちの学園じゃ専願者はほとんど居らん。
大半が公立併願の子ばかり…。
公立に振られた子の担任…。
そんな地獄の担任をやれと仏様が言う。
「では、そのつもりでお願いします…。」
学園長はご機嫌だった。
「失礼します…。」
フラフラで学園長室を出た。
嫌がらせや…。
絶対に嫌がらせや!
遼さんと私が恋愛をしとると勘違いをして、遼さんとの時間を作れないようにする嫌がらせや!
学園長室を出てからはひたすら目眩しかしない。
透…。
ごめん…。
また時間を作ってやれんかもしれんわ…。
頭の中で先に謝っておけば何とかなるやろと都合よく考える。
朝はご機嫌だったのに、帰る頃にはボロボロになるまで打たれたサンドバッグのようになってた。
「まぁ、普通にそうなるよな…。」
透が赤本を読みながら私に言う。
週末の日曜日に透の部屋で1年生を受け持つ事を愚痴る私に冷たい透…。
てか、赤本を小説みたいにして読むなや。
腹が立つ。
「遼さんの誤解になってんのはええねんけど…。」
なんとなくボヤく。
「何がええねん?」
「透との事はやっぱバレたらやばいやん?」
「親父やったらええんかよ。」
「よくはないけど…。」
教師を続けるつもりなら…。
結局は透の事が学園側にバレる訳にいかんのやと学習をした。
「朱音のキャリア考えたら、1年は妥当やろ。」
透は諦めて受け入れろという態度…。
わかっとる。
今までが2年、2年、3年しか受け持ってないんやから、そろそろ経験として難しい1年が必要になる。