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嘘やろ!?
第18章 受験日
私だけが立ち止まる。
「なんや?」
「佳奈子…。」
「放っとけ…。」
冷たい…。
そう思う。
これが自分に向けられたら…。
狂いそうになる。
透はそこに佳奈子という女が全く存在して居ないかのように振る舞い車に乗り込んでまう。
「ちゃんと話合った方が…。」
「無駄や…。」
「けど…、透…。」
「あんまり、やばいなら親父が警察呼ぶ。だから朱音は気にすんな…。」
遼さんが透にそうしろ言うたんか?
なら私が余計な事言わん方がええんか?
遼さんが決めたのなら…。
ぼんやりと考える。
車は大型ショッピングモールに着いた。
オムライスを食べてから夕食の買い物をする。
帰るとマンションの前にはまだ佳奈子が居る。
「透…。」
透の手にしがみつく。
「ん?鍵開けてくれ…。」
透はやっぱり佳奈子なんか居ないフリをしよる。
透の部屋の鍵を開ける手が震える。
「大丈夫か?」
透は普通に笑って私の頭にキスをする。
だって…。
怖いやん。
この寒空の下で3時間以上も同じ場所に立ってるとか…。
怖過ぎるやん。
震えたまま透の部屋に入る。
「来いや…。」
震える私のコートを脱がせてベッドに透が連れてく。
ただ抱きしめて来る。
耳を胸に付けるようにして私の頭を抱えて撫でる。
透の心臓の音だけがする。
少しずつ震えが収まる。
「朱音なら大丈夫や…。」
透が呟くように言う。
何が大丈夫なん?
透を見上げるとキスをされた。
佳奈子がウロウロしてても大丈夫って意味か?
怖いやん。
2人だけの世界が欲しいと思う…。
この世界で2人だけになれる世界が欲しいと本気で願いながら透に抱かれてた。