この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嘘やろ!?
第18章 受験日
翌日からは事務局の手伝いなどの仕事をする。
受験生の願書が届く季節…。
競争率は1.8倍…。
間違いなく全員合格のこの学園。
普通の私立なら競争率2.8くらいある。
公立併願者が大半である私立は定員オーバーで募集をしなければあっという間に定員割れを起こす。
国内では大阪だけが私立の学費負担支援の奨学制度を導入してるから学費的に公立と変わらなくなった今は進学校である私立の受験生は間違いなく増えた。
しかし底辺である最後の受け皿的なうちの学園では毎年のように定員割れ確実だから全員合格は当たり前。
2次募集でやっとギリギリ定員に達するという惨めな受験シーズン…。
願書から2週間後には受験。
その2日後には合格通知が出される。
1日で試験の採点を細かくチェックする余裕なんかない…。
ざっとだけ採点をしてとりあえず学習能力に問題がありそうな子だけを弾く作業をする。
面接も似たようなもの…。
普通の態度の子には無関心。
やばいと感じる子だけをチェックして中学校から来た評価と照らし合わせる。
この段階で学習障害の子の判断が終わる。
例え学習障害であっても大人しくて問題がないなら別に構わへん。
怖いのはこの後…。
試験では人並の成績…。
面接ではぶっきらぼうという程度の子が入学をしてから実は心に闇を抱えてると判明するから恐ろしい。
「昔に比べたら…、今の子は大人しくなりましたよ。」
副学園長はそう言う。
昔、この学園が女子高時代には如何にもテレビの真似をしたスケ番ですという姿をした子が暴走族の男のバイクの後ろに乗って受験を受けに来たという話。
それに比べれば確かに今の子は大人しくはなったのだろうとは思う。
だからって…。
やはり進学校のようにはいかへんという不安は否定を出来ん。