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嘘やろ!?
第19章 すってんてん



なんで?

なんで、透が知ってんの?


「なんで?」

「お前が去年、自分で言うたやろ?冗談のつもりか知らんけど誕生日やからプレゼントや思って春休みは問題を起こさんとってくれって…。」


言うた覚えはある。

たったそんだけを覚えてたんか?


「寝てる時の言葉は知らんけど、大概、朱音の言葉は耳に入って来やすかったから覚えてる。」


透が照れたように笑う。

透が予約してくれたのはホテルのステーキハウス…。

カウタースタイルで鉄板の上にはオーダーをしたお肉が焼かれてシェフが色々と話をしてくれる。

エビをオマケして貰った。

シェフは透とは親しい感じがする。

こんな店にいつも誰と来とんねん?

こういう大人の部分を持つ透に不安になる。


「知ってんの?」

「シェフはうちの店のお客やぞ。」


そうなんか?


「透さんは店を辞めたんですか?」


シェフが聞いて来る。


「大学に行くからな。」


ニヤリとして答えた透にシェフが唖然とした。


「透さん…、大学って…。」

「俺、まだ学生やで…。」

「遼さんの息子さんやとは聞いてたけど、そんなに若かったんですか?」


シェフの苦笑い。

いくら家業でもBarで働くには問題がある年齢だった事実は笑えない。


「もう…、店には出ないの?」

「忙しい時だけ手伝ったるとは親父には言うた。けど親父は俺に頼るのは多分嫌がるからな。」


少しだけ透が寂しそうな顔をした。


「ごちそうさま…。」


レストランを出て透に頭を下げる。


「まだ行くところがある。」


そう言う透が車を出す。

行くところ?

こんな時間にどこやねん?

車は普通に透の部屋の方へと走ってる。


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