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嘘やろ!?
第19章 すってんてん
「カーテンは?」
「……。」
「家具は?」
「一応、ベッドは買い換えた…。」
「電化製品は?」
「エアコンに冷蔵庫と洗濯機は確保した。」
「………。」
まず目に入って来たのはIHのシステムキッチン…。
黒で統一をされててお洒落で収納は充分にある。
だけど引き出しや棚は全て空っぽ…。
透の部屋で使ってた小さな炊飯器以外は電子レンジも何も無い…。
そのキッチンからはカウター越しに広がるリビングが見える。
16帖はある広いリビング…。
そして更に広いテラスが見える。
そりゃそうだ。
ただ単に、何も無くだだっ広いフローリングの向こうにカーテンすらしてない窓の向こうは丸見え…。
寝室…。
シーツすら、まだされてへんダブルベッド…。
黒い枠に剥き出しになってる白いマット…。
家具屋の展示物がそのまま設置されたような無機質な寝室。
こちらもカーテンは無し。
クローゼットの中には一応、私と透の服がある。
残り3分の2がもぬけの殻というクローゼット…。
「これが人の住む部屋か?カーテンすらないやん。」
「今回は金が…、無くなったんや。来月までどうにもならん。」
「自慢すんな!」
「真実を言うとるだけや。」
頭がええくせにあほやと思う。
そもそも生活感が無い透…。
「私が金出すからせめてカーテン付けて、テレビとソファーは買わんか?」
「テレビ?そんなん要らんやんけ…。」
物を置きたがらない透を殴り飛ばしたくなる。
「だったら、こんな広い部屋は要らんかったやろ?」
ファミリータイプの3LDK…。
寝室以外はやはりもぬけの殻という状況に気持ち悪くてキレてまう。
「お前がベッドが狭いのは嫌や言うからやろ?」
とうとう透が窓の外を見て拗ねた。
「そりゃ、言うたけど…。」
何も無いやん。
生活感が0の部屋とか落ち着けへんだけやろ。
透の隣りに並んだ。