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嘘やろ!?
第3章 個人ファイル
夕べのBarのおつまみメニューの組み合わせだとも思った。
「うちの店の厨房はずっと俺がやってるからな。」
透が椅子を引いてくれて私を座らせる。
「うちの店?」
「あのBarは親父の店、だから校則で禁止されてるバイトにはならん。」
透がニヤニヤとして答える。
「でも…、透…。」
わかってんねやろ?
私は教師でアンタは生徒や。
それは学校の校則どころか社会的倫理に思いっきり反してるんやで?
ましてや私はアンタよりも7歳も年上や。
オバハンをからかって楽しいか?
そんな惨めな気分に泣きたくなる。
「朱音が心配をするような事には絶対にならん。」
透は涼しい顔でご飯を食べる。
綺麗な長い指…。
切れ目長で猫みたいに綺麗な瞳。
サラサラの髪。
ほんまに綺麗なイケメン君やと思う。
優しくて料理が上手くて妙に女慣れをしてるからスマートで細やかに私へ気を使ってる。
学校じゃ寝てばかりだから全く知らなかった透の意外な一面を見て馬鹿みたいに女として、ひたすらドキドキとかしてまう。
年甲斐もなく透に惹かれてる。
恥ずかしげもなく透に愛されたいと思う。
「なんで私なんよ…。」
涙が出る。
透がその涙を指先で拭う。
「俺が学生やと、そんなに気になるんか?」
「当たり前やん。」
「なら、学校を辞めたるよ。朱音が辛いんなら俺がなんでもしたるから。」
「それだけはあかん!」
「俺は別に構わんよ?今でも間違いなく朱音よりは稼いでるし。朱音くらいなら余裕で養ったる。」
「はぁ?」
「俺が作ったゲームアプリ…、アレの収入で生活は余裕やから学校なんか辞めても構へん言うてんねん。」
私よりも稼いでる学生…。
透…、アンタは一体どんな育ち方をして来たんよ!?
呆れてまう。
「だから、朱音は泣くなや。」
「アンタが学校を辞めたらもっと泣くからな。」
私の方が子供みたいに駄々を捏ねてた。