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嘘やろ!?
第20章 モフモフ
「各中学からの報告は全て確認済みです。それともなんですか?中学から入学式に暴れる子が居ますから気を付けて下さいという報告が貰えるとか中野先生はお考えなのですか?」
中野先生には言い返す。
この人には強気で対応をしなければ後でこっちが痛い目を見るだけだ。
「問題児かどうかの判断くらい出来たはずだと言ってるのです。」
「問題児?ハーフである。ドレッドヘアーは彼の場合は天然パーマと同じである。そんな報告だけで問題児と判断をされるのですか?」
「人と違うというだけで充分でしょ?」
「何が違うのですか?彼は日本国籍を有した普通の高校生です。」
「普通の高校生は入学式で暴れたりしません。」
「それは彼のドレッドヘアーを臭いとか言って冷やかした子が居た為です。さっきも言った通りに彼にとってドレッドヘアーは当たり前で自然な事なんですよ!人と違うと決めつけるから彼がああゆう態度になっただけだと私は思ってますから…。」
「だったら、2度と暴れたりしないという確約をお願いしますよ。楠木先生…。今も職員室は不安な保護者からの電話応対に巻き込まれて迷惑をしてますから。」
中野先生が職員室を見渡した。
電話対応に追われる他の先生方…。
「とにかく篠原君と話をします。」
「無駄ですよ。生徒指導が既に話をしましたがアイツは黙ったままで何も言わない。日本語が通じてないと思うくらいです。さっさと彼の保護者に連絡をして学園を去って貰えるようにして貰えますか?」
いきなりの退学宣言を中野先生が持ち出した。
「中野先生!立ち去るとかどういう意味ですか!?」
「どうせ、そうなります。」
ふざけるな!
そう叫びかけた。
「そこまでです。楠木先生…、もっと冷静に対応をお願いします。」
学園長が私を叱る。
「しかし、学園長っ!」
「退学者を出すつもりはありません。しかし自主退学を本人が望めば我々が立ち入る問題ではないのです。まずは本人との話合いが今の重要課題ではありませんか?」
ご尤もを言う学園長には逆らえない。
中野先生だけが私に勝ち誇った顔をした。